H8K2

せかいはせーりつされたことがらのそーたいである

競馬のゲームがガチで苦しい

万国共通、世界の真理、一寸の狂いもない真実を示すことができる記号が「数字」である。

それはあらゆるものの核をど真ん中から一閃する、だれがどう見ても変わらなく、完全なはずの真実を示すことができる。

(たとえば「りんご」はりんごを示さない場合があるが、「1」は必ず1を示す)

しかしそんな無欠で完璧な真実も、人間の感情という忌まわしいフィルターを通ると、哀れにも簡単に歪められてしまう。

一つの真実しか内包していないものを、人間の脳は多種多様の事態を創り出して解釈し、飲み込んでしまう。

まるで真実を掻き毟りぐちゃぐちゃにするバケモノが脳の中に存在するかのように。

そう、我々は自身の頭蓋骨の中に、とんでもないバグポケモンを飼っているのだ。

 

しかもそのバグポケモンは人によってタイプ相性や覚えている技が異なっており、図鑑ナンバーも1~9800兆くらいあるほど多様だ。(これは非常に厄介なことで、くさ/はがねタイプのバグポケモンを飼っている人は「ほのお」という真実を4倍にしてしてしまい、逆にみず/いわタイプのバグポケモンを飼っている人は同じ真実を1/4程度で済ませてしまう。)

 

きっと私が今遊んでいる競馬ゲームを作った人の頭蓋骨の中には、きっと私の頭蓋骨の中に住まうバグポケモンのタイプ相性と非常に異なったタイプ相性をしたバグポケモンが住んでいるだろう。

そう思ったのは、私が認識している情報に基づいた入力に対する競馬ゲームの応答に、食い違いを感じることが多々あるからだ。

この、バグポケモンの違いによって発生する、私と競馬ゲーム間の軋轢を埋めるためには、どちらかが折れて、一方の社会に入っていき、その社会に迎合するしかない。(もちろん競馬ゲーム側は、たとえ私がノートパソコンの液晶に罵詈雑言を浴びせても、おもいっきりグーのパンチで叩いたりしても、うんともすんとも言わないので折れる側に回るのは私のほうである。)

 

しかしまあ、この迎合をする過程がガチで苦しい。

私の既存の認識を捻じ曲げて、競馬ゲーム側の認識に合わせなければいけないのだ。

ただ情報を覚えるだけではなく、捻じ曲げるという工程が追加される。

これが本当に苦しい。

せっかくタイプ一致でハイドロカノンが撃てるのに、忘れさせ爺さんのところに行ってハイドロカノンを忘れさせて、技マシンでソーラービームを覚えなければいけない。

Windows10の更新はマウスクリック一発でぽちっと再起動するだけで終わっていたが、実際に行う更新作業がこんなにつらいことだとは思わなかった。(否、これは更新ではない、更”古”だ!と、私のプライドをこの括弧内に残しておく)

 

ガチで苦しい。