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せかいはせーりつされたことがらのそーたいである

カップルの博愛に与る/プロテインパンケーキ/出生のヒミツ/ダート馬3頭

2024/02/23(金)(天皇誕生日)

「ポケットに入らないモノは持てない」という症状を発症したので、雨の中傘をささずに出かけた。上野の博物館に着いた頃には雨は勢いを増しており、雨宿り目的の邪な群衆により長蛇の列が発生していた。

3列で整理された列に並んだところ、隣は相合傘のカップルだった。品のある会話だったので恐らく雨宿り目的の邪な群衆の一部ではないだろう。そういう偏見を持って会話を盗み聞きしていた。

列を見渡しても傘をさしていない人は見つからなかった。僕自身は雨に濡れてもどうってことないのだが、カップルは気にしたらしい。相合傘が僕の方に徐々に寄せられて来ている気がした。僕は滔々と続く会話を盗みながら髪を掻き上げる仕草をして過ごした。左肩だけ雨に濡れずに済んだ。

 

2024/03/03(日)

数日前、知人に日々の献立を訊かれたので食生活を思い浮かべると、肉を焼くか煮るかしかしていない実態に気づいた。肉はタンパク質を多く摂るために積極的に食べているが、家計を圧迫する。さらに鳥または豚ばかり食べていると飽きが来る。こんなきっかけで、タンパク質に支出する費用の削減と、タンパク質の種類を増やすという2つの野望を抱いた。

野望を叶えるべく、時宜よく訪れたAmazonセールに乗じてミキサーとプロテインを購入し、プロテイン入りのパンケーキを試作した。調理法はパンケーキの材料にプロテインを混ぜ、炊飯器で炊くだけ。食品メーカーのサイトやレシピ投稿サイトを参照しながら自分の調理環境に適合するようにレシピを練った。試作段階で将来性を感じたので、この方向へ技術を磨いていこうという指針ができた。

試作プロテインパンケーキ

 

2024/03/06(水)

電子化された世の中、コンビニで戸籍謄本を取得した。戸籍謄本には出生に関する事項が記載されている欄があるが、そこに記載されていた僕の出生地が、想定していた市区町村ではなくその隣にある市区町村だった。記載されていた市区町村のほうが栄えているので偉い身分に成りあがった気分だったが、調べたら単に産まれた病院の所在地らしいので昇進は見送りとなった。

出生の欄には出生地の他にも出生日や届出日、届出人が記載されている。そこで届出日が法定期限ギリギリだったことは子供にバレるという教訓を得た。また、届出人は父だった。父は既に亡くなっているという情報だけ知っていたのでいつ亡くなったかは不明だったが、これで生後に亡くなったと判明した。微塵も記憶に父はいない。

 

🏇

セラフィックコール、デルマソトガケ、ヤマニンウルス、同世代のライバル3頭は一度もお互いに交戦せぬまま対古馬戦線へ進んだ。3歳ダート戦線で名を挙げていたそれぞれの勢いは歴戦の古馬を相手にしても衰えず、特にデルマソトガケはダート競争の本場アメリカで行われた最高峰のレースBreeders' Cup Classicで2着に入線する快挙を成した。ヤマニンウルスも敗北を知らぬまま涼しい顔で古馬を倒す。

とはいえデルマソトガケは海外を走り、ヤマニンウルスは引きこもりだ。なので二頭の国内重賞レース挑戦は実現せず、その実力が広く周知されることはなかった。そんな2頭に対してセラフィックコールは着実に条件戦を勝利し、みやこS(GⅢ)を勝ち、無敗5連勝の看板を背負ってチャンピオンズC(GⅠ)へ挑戦した。しかし結果は目も当てられぬ惨敗。3頭のライバルで先に崩れ去ったのはセラフィックコールだった。

その後デルマソトガケは中東で敗北を期し、そこで日本の古馬にも先着された。崩れ行くライバル達を知るや知らずやヤマニンウルスは表舞台に出てこない。

中東での敗北を見届けかつての彼らの栄光に思いを馳せていた、まさにその日、日本の阪神競馬場ではセラフィックコールの弟が懸命に走っていた。7番人気の評判を覆しすみれS(L)を勝利したサンライズアースは皐月賞(GⅠ)を目指し歩みを進めている。