言葉には多種多様の解釈が存在するので厳密にいうと私の意志とは異なった解釈をされる可能性がほぼ100%であり(例えば私が想起する「りんご」と他人に伝わる「りんご」にはずれがある。)、どんな親密な他人でも私の意志と全く同一の意志を伝えることは不可能である。
地球に住む約80億人の人間は遺伝子や生育環境がそれぞれ異なっているので、言葉に対するイメージや意味等のずれがどのような人間の間にも発生する。
我々は言葉をつかって互いに微小にずれている意志を伝え合いながら社会を形成している。
しかし、お互いに遺伝子や生育環境が大きく異なった人間との間に起こるずれの大きさは微小では済まない場合があるだろう。
この時、私の意志を相手に伝えることは難しくなる。
ではどのようにして私の意志を他人に伝えればよいのだろうか。
①諦める
そもそも意志を他人に伝えようとしなければ言葉の解釈の齟齬が発生することはない。他人に依拠しない、私だけで生きて行ける環境に身を置くべし。
②時間をかけて伝え続ける
たとえ誤った意思が伝わるとしても、私の伝えたい意志を曲げずに継続して言葉を使っていけばやがて雪が溶ける。
➂相手に伝わる言葉を模索する
相手にどのような言葉を使えば意志が適切に伝わるのかはわからない。私の経験を振り絞って、相手に関する様々な要因から相手がどのような人間なのかを予測し、それに合わせて無数にある語彙から選び抜かなければならない。
④諦める(極)
この世界には私以外の人間が存在しない。